未分類

昭和最大の未解決事件を通じて「成長」と「幸せ」について学ぶ『罪の声』塩田武士

グリコ森永事件。
昭和最大の未解決事件をモチーフとした小説
『罪の声/塩田武士』
文庫化されてすぐに読みました。
正直、単行本ですぐに読めばよかったと思っています。
では紹介します。

<ブログ管理人>
Twitter→https://twitter.com/makotoharukaze
note→https://note.mu/makotoharukaze
書籍→https://amzn.to/2uyLaWW




あらすじ

京都でテーラーを営む曽根俊也(そねとしや)。
入院中の母親から荷物を持ってきてほしいと頼まれ、探していると古いカセットテープとノートが見つかる。

古いカセットテープを再生すると、幼い頃の自分の声が。
それは日本を震撼させた脅迫事件に使われた男児の声と一致していた。

ノートには英文がびっしりと書き込まれている。
自分と家族は事件に関わっているのか?
真相を確かめるために、調べ始める…。
一方、大日新聞の記者、阿久津英士も、この未解決事件を追い始める。
二人の視点から事件の真相に迫っていく…。
ノンフィクションと思わせるような小説です。

「罪の声」のモチーフはグリコ森永事件(昭和最大の未解決事件)

この小説はグリコ森永事件をモチーフに描かれています。
昭和最大の未解決事件と呼ばれており、キツネ目の男の似顔絵をみたことがある人は多いのでは?
この小説では『ギン萬事件』という名称になっています。

グリコ森永事件とは…
『1984年(昭和59年)と1985年(昭和60年)に、阪神を舞台に食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件。
警察庁広域重要指定114号事件。犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件などとも呼ばれる。
2000年(平成12年)2月13日に愛知青酸入り菓子ばら撒き事件の殺人未遂罪が時効を迎え、すべての事件の公訴時効が成立し、この事件は完全犯罪となり、警察庁広域重要指定事件では初の未解決事件となった』wikipediaより引用

小説内でもこの事件の内容が説明されており、事件の内容を知らない若年層の方でも問題なく読めます。
実際僕も、キツネ目の男の似顔絵をみたことがある程度で、事件の詳細を把握していませんでしたが、ドキドキしながら最後まで読んでいました
とても面白い小説です!



阿久津の成長

僕がこの小説を通じて一番良かったなと思った点は記者である阿久津の成長です。
この阿久津、正直サラリーマンとしてのモチベーションがとても低いんですよ笑
少なくとも僕はそう思いました。

阿久津はこの事件を調べていくうちに、記者としてどうあるべきかを考え、積極的に行動を起こしていきます。
とてもストレスを感じていた仕事のはずなのに、夢中になって事件の真相をみつけようと頑張っている姿は感動しました。

仕事で大事なのは『責任感』だなと改めて思い知らされます。
小説を読むときは、阿久津の成長度合いにも注意を向けていただければと思います!

家族と幸せとは

おそらくこの小説のテーマは家族ではないかと思います。
それはなぜか…

主人公の俊也は事件のことを調べていくうちに、引き返せなくなるのではないかと躊躇しはじめるんです。
それは家族に危害が加わるのを恐れているから。

小さな娘と妻、年老いてきた母親、仕事。
自分が事件に関わっていることがバレたら世間から注目され、今までの生活が送れなくなるかもしれない。
今の俊也が感じている『普通の幸せ』を壊したくない、そんな思いが俊也には芽生えます。

そして別の家族の話もあり、僕は泣きました…。
小説を読んでください。


参考文献一覧・映像資料一覧

この小説の最後に参考文献が書かれてあります。
事件の詳細を事前に知っておくと、もっと面白いかも。

グリコ・森永事件 (新風舎文庫)