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ドラマ化された『元彼の遺言状』の小説のあらすじ、登場人物を紹介!

2021年第19回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作である『元彼の遺言状/新川帆立 著』を読む際に参考となるあらすじや登場人物をまとめた。ネタバレしないように考慮し、まとめたので参考にしていただきたい。

あらすじ

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という遺言状を残し、製薬会社の御曹司・森川栄治が亡くなった。
金の亡者である凄腕弁護士:剣持麗子は数百億円の遺産相続を巡って事件の真相に迫っていく。剣持は犯人候補に名乗り出た栄治の友人の代理人として、森川家の主催する「犯人選考会」に参加する。剣持は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと様々な施策を打っていく。主人公のキャラが強烈で、物語も新鮮で面白い。一気読みの作品。

主な登場人物

剣持麗子…この作品の主人公。日本最大の有名な法律事務所で働く敏腕弁護士。強烈な性格で、彼から渡された小さいダイヤの婚約指輪を見て平均以上の大きなダイヤのついた指輪を要求し「何が何でも、欲しい物は欲しい。それが人間ってもんでしょ。お金がないなら内臓でも何でも売って、お金を作ってちょうだい」と言ったり、ボーナスが低いともっと上げろと要求する。人間味もあり、作品をより際立たせている。

信夫…剣持の彼氏。1年ほど付き合っている。剣持に平均的な金額の婚約指輪を渡したが、怒られていてかわいそうである。本筋のストーリーとはあまり関わりがない。

津々井先生…剣持が働いている弁護士事務所の創設者。凄腕の弁護士。

森川栄治…作品タイトルの元彼。森川製薬の御曹司で数百億円の遺産を、自分が殺した犯人に譲るという奇妙な遺言を残している。

剣持雅俊…剣持麗子の兄。厚生労働省で働いている。新薬の認可にも関わっている。麗子が優秀であるため嫉妬している。

優佳…雅俊の妻。おっとりした雰囲気。麗子は第一印象で豆大福みたいな女と例えている。その後、ウサギのような可愛らしさで心がほぐれそうになった。

篠田…今回の依頼人。遺産を相続するため、犯人にしてほしいと剣持に依頼する。栄治の友人。

森川銀次…栄治の叔父。遺産相続に関する内容を動画投稿サイトにUPした。見た目は若い。森川製薬の経営には関わっていない。

森川金治…森川製薬の社長で栄治の父親。現状を維持しながらコツコツの収益を上げる方法を考える堅実なタイプ。

森川定之…金字の姉の婿。森川製薬の取締役専務。新規事業や新薬開発に意欲的な開拓タイプ。方針の違いからか、社長金治派閥と定之派閥があるらしい。

平井真人…森川製薬の副社長。外資系会社の投資会社にて、投資した会社の経営に積極的に参加し、業績を上げていた過去がある。現在は森川製薬専属。

森川紗英…栄治のいとこ。定之の娘。剣持に色々と突っかかってくる。口が軽い。

堂上先生…軽井沢の屋敷の隣に住む獣医。人当たりがよい。息子の名前は亮。妻は亡くなっている。

原口朝陽…栄治の元カノのひとり。黒髪短髪で愛嬌がある。栄治の付き添いの看護師。

森川富治…栄治の兄。学者。大学で文化人類学を教えている。贈与論をきっかけに研修者を志すようになった。銀次と同じく経営には関わっていない。白血球を作れない難病を患っている。

森川雪乃…水彩画から抜け出してきたような美人と剣持は言っている。柔らかい口調で話す。おっとりしているようで、しっかりしている。

森川拓未…紗英の兄、雪乃の夫。森川製薬で新規事業課の課長を務める。新薬の発売準備に向け、とても忙しい日々を送っている。

村山…栄治の顧問弁護士。中肉中背で特徴がない。町の弁護士。

文献

『元彼の遺言状』新川帆立 著