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どうすれば幸せになれるのか考えること自体に意味がある

はじめに

幸せになりたいと願う人は多いです。
もちろん、僕も幸せになりたいと思っています。

よくよく考えてみると、かなり昔から「幸せになりたい」と願ってきたように思います。
ずっと幸せを求めて生きてきたのです。

もし、それに意味が無いのだとしたら、悲しいですね。

幸せってなに?

ずっと求めてきた「幸せ」。
それって何だんだろう。具体的に説明するのは意外と難しいです。

新明解国語辞典では「幸福」を以下のように解釈しています。

『現在(に至るまで)の自分の境遇に十分な安らぎや精神的な充足感を覚え、あえてそれ以上を望もうとする気持ちをいだくことも無く、現状が持続してほしいと思うこと(心の状態)。』

編集者おすすめ 新明解国語辞典の“考えさせられる語釈”とは?

僕はこの解釈にとても共感を覚えます。
たぶん幸福な人は、現状を維持したい。

今あるもので満足してるから、それ以上を求めないんです。
何も変えたくないし、何も変えてほしくないと思っています。

幸せは手段

最近、進化心理学の本を読みました。
(読んだ本は一番下の参考文献に掲載しておきます)

人間は常に幸せを求めるように出来ているらしいです。
なので、幸せになりたいと願うことは当たり前のこと。

そして、次が衝撃。
その幸せは基本的には継続しないらしいんです。

例えば、ご飯をお腹いっぱい食べたらとても幸福に感じます。
でもそれは一時のことで、長続きすることはありませんよね。
少し時間が経てば、「おなかが空いた」と次の食べ物を求めるようになる。

もし人間が(他の動物にも言えることだが)、ご飯を食べてずっと幸福であれば、それ以降、食事を取ろうという意欲がなくなってしまいます。

食事を取らなければ、生き続けることはできません。
だから、幸せは長続きしないんです。

幸せはあくまでも一時的なものであり、生存確率を上げるために脳が発生させているものなんです。

要するに「幸せ」は、脳が人を行動させるために発生させている原動力ってことです。
幸せ自体が目的ではなく、生きるための手段、行動させるための手段として、幸せを感じさせているだけなんです。

なんだか、そんなふうに言われると味気ないですね。
せっかく幸せを求めて頑張っているのに、幸せを掴んだとしてもすぐになくなってしまうなんて。

じゃあどうすればいい?

この事実を知った上で、僕たちができる対策としては、幸せが長続きしないことを理解し、その上で「今の幸せ」を満喫することです。

リアルタイムの幸せをじっくりと味わう

例えば……家族と会話する時間、昼下がりにコーヒーを飲む時間、読書をしている時間、友達と冗談を言って笑っている時間、映画を観て号泣する時間。
そんな一つひとつの幸せを噛みしめることが、僕たちにできることだと思います。

幸せは長続きしない、でもそれは確かに存在しているのです。

参考文献

われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか』ウィリアム フォン・ヒッペル 著