今回は小説家である乙一(おついち)さんが小説を書く上で欠かせないプロットの作り方を紹介します。
プロットとはなにか
プロットの作り方の前に、まずは「プロット」とは何なのかを解説します。
プロットとは、物語の筋道のことです。
主に小説、演劇、映画の脚本を作成する際に活用されています。
統計学でも使われている用語で、その場合は特定のデータを図表上に示すことを「プロットする」と言います。
話を戻しますが、プロットとは物語でいうところのトピックの集合体です。
プロットを見れば、その物語がどのように進行していくのかが大体わかります。
ちなみに乙一さんはプロットを
「ペンやキーボードと同じ道具である」とおっしゃっています。
また、プロットを使うと物語が画一的になるのでは? という意見に対し
「同じ道具を使っても出来上がるものは人によって異なる。
事前にプロットを作ることで、物語が画一的になったり、個性が欠けたりすることは無い。」
とおっしゃっています。
プロットの作り方
では乙一さんのプロットの作り方を紹介します。
①物語を複数のパターンに区切る
一つの物語にはいくつかのポイントがあります。
ここでは4つのパートとして紹介します。
②パートとパートの間に変曲点を設定する
パートを4つに分けました。
物語はパターンA→B→C→Dの順に進みます。
そのパターンの間は突然切り替わるわけではありません。
パターンとパターンとの間はグラデーションのようになっており、少しずつ切り替わります。
このグラデーションの部分を「変曲点」と呼びます。
例えばA→Bの間に入るのは変曲点aです。
入れるべきイベントは決まっています。
下記の通りです。
<プロットの構成>
1章
パートA「登場人物、舞台、世界観の説明」
変曲点a「問題の発生」
2章
パートB「発生した問題への対処」
変曲点b「問題の広がりを見せ深刻化、主人公が窮地に陥る」
3章
パートC「広がった問題に翻弄される人物→葛藤や苦しみ」
変曲点c「問題解決に向かって最後の決意をする主人公」
4章
D「問題解決への行動」
それぞれの章はできる限り均等に書きます。
4万文字で構成する場合は、各章を1万文字で執筆するイメージです。
多くの物語は日常→問題発生→課題への対応→解決→日常の流れで構成されています。
上記も概ねその流れとなっています。
最初は執筆の前に、好きな映画や漫画を分析することをおすすめします。
一度、それをプロットにまとめ、他の作品との比較をすると、面白いことにプロットが類似していることがわかるはずです。
プロット(構成の仕方)が同じでも、物語のテーマや問題が違うから、別の作品に見えるのです。
コツを掴めば使いこねせるようになります。
ぜひチャレンジしてみてください。
参考文献
1.ミステリーの書き方 (幻冬舎文庫)/日本推理作家協会 編著
2.物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術/クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ