この数年は、ほとんどの商品をネットで買っている。
商品を検索して開き、ワンクリックしてカートに入れ、カード番号を入力する。
そして数日後に商品が届く。
何日か使ってみる。
「思っていたのと違うな。でも一応買ったものだし、また使うかもしれない」
と独りごとを言って、見えないところに保管する。
年末に部屋の掃除をしていると、その商品がひょっこり顔を出す。冬眠から目覚めたみたいに。
久しぶりに使ってみる。
でも結局、何日かしたら飽きてしまう。
また奥にしまう。
このようなサイクルを繰り返すことによって、物は増え続ける。右肩上がりに増加。うれしくはないが。
さて、どう対策すればよいのだろうか。
捨てる?
ある本にはこう書かれていた。
(予想どおりに不合理/ダン・アリエリー)
水のはいったコップにクレジットカードを浸し、そのまま冷凍庫へ入れる。すると、衝動的に何か買いたくなったとき、氷が解けるのを待たなければカードを取りだせない。氷が解けるころには、買いたいという衝動がおさまっているというわけだ
サイトによっては過去にカード情報を入力していれば、そのまま引き継がれるから対策にならないじゃないか、という意見があることは承知している。でもそれは本質ではない。
ポイントは、いったん冷静になるということである。
商品を買うときには、機能性、デザイン性、価格の三点から、複数の商品を見比べてるといい。
比較すると、それぞれの商人の特徴(良いところ、悪いところ)がみえてくる。
消費があることは大事なことだ。
そうやって経済がまわり、資本主義が維持されてきた。
でも買ってちょっとだけ使っておしまいでは、なんのために商品があるのかわからない。
広告の影響は大きく、買う前の商品はいつだって魅力的に見える。感情が動かされる。
だからこそ、いったん冷静になろう。
部屋が洗練されたものだけになると、気分が良い。
村上春樹の小説に出てくる架空の小説のタイトルが秀逸だ。
『気分が良くて何が悪い』
本当にその通りだ。
参考文献
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」/ダン・アリエリー 著』